言えよ、俺が欲しいって。
「でもね、やっぱりあたしはっ……あたしが好きなのは変わらないんだよ…!」
「うん、知ってるよ」
七瀬くんは、あたしの頬に手を添えてグイッと上を向かせた。
「白咲になら、俺をあげてもいいかなって思ってる」
え……それって……?
「だからさ、」
あぁ、やっぱりこの人は意地悪だ。
「言えよ、俺が欲しいって」
ずっと思ってた。
この人があたしのことを好きになったらどうなるんだろうって。
「…っ、欲しいです!七瀬くんが凄く…凄く欲しいっ…!」
「うん、白咲になら俺の全部あげるよ」