言えよ、俺が欲しいって。
あぁ、もう。好きだ。好きだ、七瀬くん。
嫌いだなんて言っときながら、やっぱりほら……なんだかんだ、優しいんだもん。
でも、本当にあたしの家が七瀬くんの通り道でよかった〜。
そうでもないと、最後まで一緒に居れなかったもんね。
デートはできなかったけれど、進展はしたかな……?
「……覚えてね」
ポツリ、1人で呟く。
あたしの名前、今日は何度も呼んでくれた。
明日も、明後日もあたしの名前を呼んでくれますように。