言えよ、俺が欲しいって。
「相川くん、あたし帰るからね!」
「はいはい」
「……勉強教えてくれてありがとう」
なんか少し腹立つけど、勉強教えてくれたことには感謝してるから。
本当は、七瀬くんが良かったんだけどなあ。
そんなことを考えるとすぐにまたジワッと込み上げてくるものがある。
……ダメダメ。明日もう1回誘えばいいんだから。
「お前、案外問題児なんだな」
教室を出ようと扉に向かって歩いていると、後ろからそんな声が聞こえてきた。
「相川くん、それあたしに言ってる?相川くんには言われたくないんだけど!」
頭が少しばかり悪くて、課題出さないだけだから!
決して問題児じゃないから!