言えよ、俺が欲しいって。


あたしは、フラフラとした足取りで歩き出す。

扉を開けようと手をかけた瞬間。


ダンッと目の前に手が現れた。



「なに帰ろうとしてんの?」



扉と相川くんによって挟まれた状態のあたし。

う、後ろに…すぐ後ろに相川くんがいる。

相川くんは、あたしの肩に手を乗せてクルリとあたしを自分の方へ向かせる。

同じ高校生とは思えない少し大人びた瞳を持つ彼に見つめられるのはちょっと苦しい。



な、なに?
なにされるんだろう?あたし、もしかして殴られたりする?


そんな過激妄想が、グルグルと脳内で行き交う中、さっきまでジッとあたしを見ていた相川くんが口を開く。



「俺と付き合う?モモちゃん」



ニヤリと不敵な笑みでそう言う相川くんに、またしてもあたしの脳内をパニックにする。


何言ってるの、この人。
付き合うってどこに?

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