言えよ、俺が欲しいって。
「あー、クソ疲れる」
そんなに疲れるなら、なんで走ってきたの。そうツッコミたくなるほど、相川くんはあたしにとって理解不能な存在になりつつある。
「あたし、帰るよ?」
「送ってく」
相川くんはサラッとそんなことを言ってあたしをチラッと見る。
送ってく?相川くんがあたしを?
「えっ、なんで?」
「なんでって…なんだかんだ、もう6時半。女子を1人で帰らせるわけねーじゃん」
窓から外を見ると、確かにもう暗い。
最近、暗くなるの早いなあ。
もう秋かー。
そんなことを呟いていると、相川くんはあたしの頭をクルリと自分の方へと向けた。