言えよ、俺が欲しいって。


「一緒に帰んの?帰らねぇの?どっちだよ?」



またしてもいつもよりも近い距離にある相川くんの顔。

そんな綺麗な顔をジッと見つめれば、相川くんはチッと舌打ちをした。



「えぇっ、舌打ち!」



「やっぱモモっておかしい。普通ドキッとするとこだろ、ここは」



それを言うなら、相川くんだって!
告白(?)だって冗談だろうけど、ちょっとは顔を赤らめたりドキドキするものじゃなかったの?


それに、あたしは……。



「女の子扱いなんて、なれてないもん…」



今まで、七瀬くん以外に好きになったことなんてないし。好きになられたこともないんだから。


女の子扱いなんて、どこからなのか口出して言ってくれないと分からなかったから。

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