言えよ、俺が欲しいって。
「……へぇ?七瀬のこと好きってめちゃくちゃ言ってる割には、そういうとこあんだ?」
「別に、そんなんじゃないもんっ」
相川くんに、子供扱いされてるようで無性に腹が立つ。
送ってくれるなら……相川くんじゃなくて七瀬くんがいいんだから。
そんなことを思い、頭の中で七瀬くんを思い浮かべる。
会いたいなーってどうしても思ってしまう。
「まぁ、いいから帰るぞ」
……嫌だ。
「いい。本当に、いいの。あたし1人で帰れるから!」
何故か凄く凄く嫌で。
あたしの隣に七瀬くんじゃなくて相川くんがいるってことが、今更ながら嫌になってきた。
「ふーん。分かった。じゃあな」
相川くんには、申し訳ないけれど。
七瀬くんのことを考えると、彼女でもなんでもないのに物凄い罪悪感に襲われる自分がいた。