言えよ、俺が欲しいって。





「好きな人?」



「は、はい!」



放課後、グッドタイミングで学校の玄関を出ていった七瀬くんを見つけて走って追いついたあたし。当たり前のように七瀬くんの隣を歩くけど、迷惑そうにしてるのは気の所為か?



「いるっていったら、白咲はどうする?」



「どうって……」



そんなの、嫌だし。
七瀬くんが主人公のラブストーリーなんて関係ないよ。

あたしの中のラブストーリーは、七瀬くんが相手だって決まってるんだから。



「いるよ。好きな人」



不意に放たれたそんな言葉。

驚きすぎて、声が出ずに口が開くだけ。

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