言えよ、俺が欲しいって。


「まず、俺を好きになること自体が間違ってたんだよ」



それは違うよ。それは、間違ってない。



「違う!それだけは、違うよ……」



七瀬くんを好きになってたくさんのこと知れたんだもん。恋を知ったんだよ。

だから、七瀬くん。そんなこと、言わないで。七瀬くんを好きになった自分だけは、否定したくないから。



「…って、言ったらどうする?」



「……へっ?」



七瀬くんは、チラッとあたしを見てから再び前に目を向けた。
その七瀬くんの表情は少しばかりか楽しんでるようで。


────って、言ったらどうする?



「ど、どういうこと?」



「嘘だって」



こ、この人……。


完全にあたしのことをバカにしてる!!

< 65 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop