言えよ、俺が欲しいって。


「あの日は、コンビニ行きたかったから通っただけ」



「じゃあ……今日、は?」



今日は、何でですか?
なんで今日は、送ってくれたの?
今日もコンビニ行きたいからなんて言わせないもん。

ドキドキと胸が大きく躍動する。



「白咲が、あまりに嬉しそうに話すから」



七瀬くんは、フッと笑ってそう言った。
べ、別に嬉しそうに話してなんかないんだけど……。

そういうと七瀬くんは、“そう?俺がいるから嬉しいんだと思った”なんてこと言うから。

また、カーッと顔が赤くなって好きが溢れる。

この人、自分の言ってることを分かってるんだろうか。七瀬くんのことだから絶対に分かってる。そういうとこがまた……あたしを惑わせるんだけど。



「あ。今日、教科書ありがとうございました」



「それ、何回言うの?」



少しは、七瀬くんに近づけたかな。
初めて会ったときに嫌いなんて言われたけれど。今はどうなのかな?

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