言えよ、俺が欲しいって。
相川くんは、分からない
「モモちゃん、おはよ」
「……げっ」
朝。学校に登校してきて下駄箱で靴を履き替えていると、そんな声が上から。
「げってなんだよ、おい」
予想通り、相川くんだ。
今、あたしが一番会いたくない人ナンバーワンだよ。感謝してほしいくらいだ。
「お、おはよ」
久しぶりに会った相川くんは、あの日と何ら変わってなくて。
ザ・チャラ男は健在らしい。
あたしは、さっさと内履きに履き替えて、相川くんを置いて歩き出す。
「置いてくことはなくね?」
「だって相川くん。苦手なんだもん」
「はっきり言うな」
でも、やっぱり男の子である相川くんは、秒であたしに追いついて。