言えよ、俺が欲しいって。


SIDE茜






「あ、来たんだ?」



放課後。学校の玄関。
俺の周りには、女子。



「ほ、他にもいるじゃん」



モモは冷や汗をかきながら、目を逸らしてそう言う。

相当迷ったの、コイツ?
モモは七瀬が好きだからねー。



「俺、今日は先約あるから」



周りの女子にそう言うと、

「あたしともデートしてよ!」

とか、

「明日カラオケ行こ〜!」

とか。



「じゃあ明日みんなでカラオケな」



俺は、モモの手を引いて歩き出す。
モモは、さっきから何も話さねぇし。
顔を見ると、なんていうか、放心状態?

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