言えよ、俺が欲しいって。


「わかってんじゃん。じゃあ、今日は七瀬の名前出したら俺怒るから」



「ええっ!」



俺に興味無い女なんて初めてで。
好きで、こんな顔なわけじゃないのに勝手に好かれて。


女なんて、所詮顔だって思って今まで生きてきたけど。

モモみたいに、俺に興味が無い女は割と初。


だから、俺はモモに興味を持つ。



「今日帰った後、モモの頭の中は俺でいっぱいになるんじゃね?」




────頭の中、俺でいっぱいになって。

七瀬なんかじゃなくて、俺を見て。




「なっ、ならないし!」




モモは、そう言って頬を膨らませた。




あ、かわい。

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