言えよ、俺が欲しいって。


映画が始まる。
主人公の女子高生には好きな人がいる。
でも、その女子高生を好きな男の子が毎日毎日アタックして。

女子高生は、どっちを選ぶのか真剣に考える。
自分が好きな人を選ぶのか、自分のことを好きな人を選ぶのか。



「あ、相川くん?」



映画に夢中になっていると、ギュッと握られる手にギョッとする。

な、なんだなんだ。
映画中も手を繋ぐの?
ドキドキが止まらないよ〜!!

て、手汗が……!!!



「いいだろ、別に」



よくありません!!!
こんなこと、カップルみたいだよ?



「だ、ダメだよ」



「でもさっきはずっと繋いでた。何が違うんだよ?」



そう言われると何も言い返せない。
むしろ、学校から出た時なんか、手を繋いで楽しそうに腕振ってたのはあたしじゃんか。


こうなると…。


べつにいっか!いいよね!?手くらいね!

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