言えよ、俺が欲しいって。
「…相川くんは、なんで手を繋ぐの?」
ふと、疑問に思った。
別にあたしのことなんてどうも思ってないくせに。
なんであたしの手を握るの?
「本気で聞いてんの?」
すると、相川くんは真剣な顔でそういう。
ドキッとした。相川くんの真剣な顔に。
「…相川くん?」
相川くんの様子がおかしい。
目が逸らせない。
握られた手は、さっきよりも強くなっていて。
「え、映画見ようよ!」
あたしは、相川くんから目を逸らして映画に集中しようとするけれど。
相川くんに、頭をグイッと引き寄せられる。
「えっ!」
そして、唇に感じる柔らかい感触。
ど…どういうこと?
何が起こってるの?
いきなりのことで頭が思考停止中。
「んっ…」
う、うそ…もしかして、キスされてる!?
「…っ、はぁっ」
やっと離れた唇。
ひどい。
ひどいよ、相川くん。
なんで、どうして。