言えよ、俺が欲しいって。


「あたしがどれだけっ…」



ファーストキス大事にしてたのに!
大事にしてたものを奪われる気持ちわかるの!?


思い出すと腹が立ってきて。
涙が出そうで、グッと堪える。

相川くんとは価値観が合わない。
誰でも構わずそこら辺にいる女の子とすぐにキスしちゃうような人とは一生友達なんかになれない。



「モモ、でも聞いてほしい」



「っ、」



何を今更。
キスした後に聞いてほしいだなんて。
聞くことなんかないんだから。

声だって…聞きたくないんだから。



「やだっ」



あたしはもう、相川くんに関わりたくない。
七瀬くんをずっと見ていくって決めたのは昨日だよ。

そんなすぐに決心鈍るような性格はしてないんだからねっ!!



「相川くん、あたしにもう近づかないでください」



「は?」



「距離とりましょう」



距離をとるもなにも、本当はもう絶好してるところだ。

何を思ってキスなんか!
魔が差したの?そういうこと?
相川くんの性欲処理にあたしを使わないでくれる!!??

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