高貴なる社長のストレートすぎる恋愛に辟易しています。
未熟者ですがレンアイ中です。
差し込む光にゆっくりと目を開けた。

暖かな日差しがカーテンの間から注がれている。

光の筋をたどれば、昨夜の激しさを物語るかのように、床に散らばる互いの絡み合う洋服にベッドサイドにある淡いランプの光に落ちていた。

気だるく重い体をベッドから引き上げようとしたときだ。

左横には白い枕に右ひじをつき、頬杖をついて微笑む男性の姿がある。

「つむぎ、おはよう」

朝のやわらかな光に男は照らされている。

端正な顔立ちに見合うようなメガネをかけ、少しだけ寝癖がついた短髪を気にするそぶりもなく、わたしの顔を微笑ましく思うかのようにやさしい笑顔でみつめている。

低く響く声。昨夜の行いのときにも耳元で囁いた声が体の奥底に呼応する。

ふたりとも同じ布団の中だ。しかも何もまとってはいない。

急に全身の血が騒ぎ出し、恥ずかしくなって掛け布団に丸まった。

「え、これってどういうこと」

「さあ。どういうことかな。昨夜のこと、何にも覚えてないんだね」

「え、わたし、こんな姿になって」

「大胆になるんだから」

と、くすくすと笑いながら、わたしの頭をなでる。

「つむぎ、また恋しくなってきたよ」

と、洋服ではわからなかったたくましい腕をみせて、わたしの体をやさしく引き寄せる。

男の皮膚からは、味わったことのないあたたかなぬくもりを感じた。

まさかこんな風になるなんて。
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