あなたに捧げる不機嫌な口付け
「ねえ、祐里恵?」
にっこり黒い笑顔で立っていたのは諏訪さんだった。
ぎりりと威圧しまくっている。
うん、怖い。
「ごめん、お待たせ」
こちらを覗き込んだ顔はひどく甘ったるいから、なおさら怖い。
助けてくれてありがとう、でもなんで私の名前を言ったかな。
個人情報を無意味に渡さないでよ、馬鹿。
それだけが不満で、私の肩をかばうように抱き込んだ諏訪さんに、負けじと甘ったるい笑顔を作って言う。
大好き、と思っているように見えるのが丸分かりの笑顔と態度で。
「遅いよ、恭介。待ってたんだからね?」
「っ」
「恭介?」
ごめんごめん、と力なく繋げた諏訪さんは、意を決したように。
「…………俺のこと好き?」
「大好き」
「……っ」
うええ気持ち悪い。何がって、自分が超絶気持ち悪い。
この人しか見えないくらい大好き、みたいな雰囲気を出しながら、甘える振りをしてまとわりつく。
何か諏訪さんが固まったんだけど、気持ち悪さでだろうか。ごめん。
男連れ、しかも何だか急にいちゃいちゃし始めた私たちに、四人組は舌打ちしてどこかに行ってしまった。
でもまだ不安だったので、影に隠れて諏訪さんを盾にしつつ、さっさとその場を離れる。
離れて離れて、角を曲がって。
「ねえ」
私は素丸出しの冷たい態度で諏訪さんに問いかけた。
にっこり黒い笑顔で立っていたのは諏訪さんだった。
ぎりりと威圧しまくっている。
うん、怖い。
「ごめん、お待たせ」
こちらを覗き込んだ顔はひどく甘ったるいから、なおさら怖い。
助けてくれてありがとう、でもなんで私の名前を言ったかな。
個人情報を無意味に渡さないでよ、馬鹿。
それだけが不満で、私の肩をかばうように抱き込んだ諏訪さんに、負けじと甘ったるい笑顔を作って言う。
大好き、と思っているように見えるのが丸分かりの笑顔と態度で。
「遅いよ、恭介。待ってたんだからね?」
「っ」
「恭介?」
ごめんごめん、と力なく繋げた諏訪さんは、意を決したように。
「…………俺のこと好き?」
「大好き」
「……っ」
うええ気持ち悪い。何がって、自分が超絶気持ち悪い。
この人しか見えないくらい大好き、みたいな雰囲気を出しながら、甘える振りをしてまとわりつく。
何か諏訪さんが固まったんだけど、気持ち悪さでだろうか。ごめん。
男連れ、しかも何だか急にいちゃいちゃし始めた私たちに、四人組は舌打ちしてどこかに行ってしまった。
でもまだ不安だったので、影に隠れて諏訪さんを盾にしつつ、さっさとその場を離れる。
離れて離れて、角を曲がって。
「ねえ」
私は素丸出しの冷たい態度で諏訪さんに問いかけた。