あなたに捧げる不機嫌な口付け
「どうする?」
にやりと口角を上げた恭介さんに、あくまで冷静に笑って、至極真面目に言ってみた。
「恭介さ」
「うんレストラン行こうな、ってええ!? 俺!?」
聞かれたから答えたのに、何が不満なのか驚いている。しかも遮られた。
『食事にする? 買い物にする? それともお・れ?』なんて、これを狙ってのふりじゃなかったのだろうか。
ここでご飯とか買い物とかを選んだらむしろ、相当ひんしゅく買わない?
絶対そういういたずらだと思ったのに、深読みし過ぎて外れたらしい。
「駄目?」
甘えるように見上げると、ぐっと小さく喉が鳴った。
いつもの余裕はどうしたのか。
わたわたしてる恭介さんなんて滅多にない。超絶面白い。
「駄目じゃないけど」
そこで一旦口を閉じる。
言い淀んで口唇を開け閉めして、目を泳がせ、あー……うああ、なんて奇声を上げつつ頭をかいて。
流していた視線を、おそるおそるこちらに寄越した。
「…………じゃあ、さ。えっと」
「恭介さん、の一日をちょうだい」
首を振って訂正すると、恭介さんがちょっと驚いてから照れた顔で安堵の息を吐いた。
「……いいけどさ。いいけど、俺馬鹿みたいなんだけど……」
「遮ったのはそっち」
なんだよ期待しちゃったじゃんか、なんて言われても困る。
にやりと口角を上げた恭介さんに、あくまで冷静に笑って、至極真面目に言ってみた。
「恭介さ」
「うんレストラン行こうな、ってええ!? 俺!?」
聞かれたから答えたのに、何が不満なのか驚いている。しかも遮られた。
『食事にする? 買い物にする? それともお・れ?』なんて、これを狙ってのふりじゃなかったのだろうか。
ここでご飯とか買い物とかを選んだらむしろ、相当ひんしゅく買わない?
絶対そういういたずらだと思ったのに、深読みし過ぎて外れたらしい。
「駄目?」
甘えるように見上げると、ぐっと小さく喉が鳴った。
いつもの余裕はどうしたのか。
わたわたしてる恭介さんなんて滅多にない。超絶面白い。
「駄目じゃないけど」
そこで一旦口を閉じる。
言い淀んで口唇を開け閉めして、目を泳がせ、あー……うああ、なんて奇声を上げつつ頭をかいて。
流していた視線を、おそるおそるこちらに寄越した。
「…………じゃあ、さ。えっと」
「恭介さん、の一日をちょうだい」
首を振って訂正すると、恭介さんがちょっと驚いてから照れた顔で安堵の息を吐いた。
「……いいけどさ。いいけど、俺馬鹿みたいなんだけど……」
「遮ったのはそっち」
なんだよ期待しちゃったじゃんか、なんて言われても困る。