王子様たちのシンデレラ(仮)
「なあそこのバカ」




ムカッ




「なに」




「ぶはっ、バカって認めるんだ」




「自覚してるからいいの!!」




爆笑する陽太を殴ってやろうかとも思ったけど、芸能人の顔はさすがに殴れない。




「腹減った」




「は?まだ11時半じゃん」




「でも腹減った」




……だからあたしに、飯を作れと言いたいんですね?




「人に物事を頼む時にはそれなりに態度って言うものがあるんじゃないですか!?」




「おねがいしまーす」




棒読みだし、へらへらしてるし。こんなんで芸能界やっていけんのか!?


このグループ、まともに会話ができるのは蒼先輩だけなのかな……




「彩羽ちゃん、俺手伝おうか?」




蒼先輩っ……神!!




「でも受験生の時間は奪えないので!!」




「大学に行くかどうかは事務所と相談中だけどね」




「え、行かないんですか?」




芸能界一本でやってくってこと?




「大学なら今すぐ行かなくても大丈夫だし、行きたいときに勉強してはいればいいじゃん?それに俺、番組の司会とかもやってみたいんだよね」




蒼先輩が…番組の司会……似合う!!




「いいと思います!!!!」




想像するだけでかっこいい!!




「はは、ありがとう」




「おい、飯」




……なんでこいつは邪魔するのかなぁ!!




「わかってるよ!!バカ!!」




「バカはどっちだよ」




ムカついたからあたしは陽太を睨み付けてキッチンに向かった。

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