王子様たちのシンデレラ(仮)
「……っと」




あたしは背伸びをして高いところにある食器に腕を伸ばした。




「ん~!」




155㎝のあたしでは届かない、そんな現実なんか悲しいから絶対取ってやるんだ。




「……なにしてんの」




いつからいたのか、ぱっと横を見ると呆れ顔の晴仁がいた。




「……べつに、晴仁には関係ないでしょ」




「まあ1ミリも関係ないな」




晴仁は冷蔵庫からスポーツドリンクをだして飲んだ。




「……なに、俺には関係ないんじゃなかったの?おチビさん」




ニヤッと笑う晴仁にはいっそ殺意も芽生えるよ。




「う……とって、ください」




このままじゃ料理だって進まないもん。屈辱ではあるけど仕方ない




「明日、購買の味噌ラーメンおごりな」




「は!?無理だよ!お金ないし、第一あんたと一緒にいたらファンに殺されるわ!!」




「あー、俺ら目立ってるからね。どっかの誰かさんと違って」




ムカ。さりげなく地味って言われたよね?ほんとにムカツク!

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