王子様たちのシンデレラ(仮)
「彩羽、髪、やって」




「え、あたし!?」




陽太に腕を引かれて鏡の前へ。




「できるだろ?これぐらい」




「え、彩羽ちゃんヘアメイクできるの?」




「え、いや、男の子の髪ではやったことないので…」



「大して変わんねえだろ?はやく」



お、恐るべき自分勝手……!!




「はやく」




「ちょ、ちょっとまってよ!!」




と思いながらもあたしは陽太のふわふわな髪の毛に触れた。




「ははは、彩羽ちゃんと陽太くん、なんか兄妹みたい」




「え?」
「は?」




「息ぴったりだし。仲いいんだね」




あたしと?陽太が?仲いい?




「仲良くなんかないです!!」
「仲良くなんかねえよ」




また声重なったし!!



「真似すんなよ」




「はぁ!?こっちのセリフ!!」




あたしは陽太の髪の毛を軽く引っ張った。




「ってえな馬鹿力!怪力女!」




「はぁ!?」




「ちょ、二人とも落ち着いて」




あたしは颯のいうことも無視して陽太と言い合いをつづけた。




「陽太のバカ!」
「彩羽のバカ!」


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