捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
なんとか出された料理を平らげ、使った皿を手分けして洗い片付け、またランスの部屋に戻る。

ランスはソファーに身体を預けると、ふう、とひとつ息を吐いた。


「眠くなったら寝台で寝ていいぞ、アリシア」

「ランスはどこで寝るの?」

「俺はここでいい。ソファーで寝るのにも慣れている」


心配させまいと笑みを作りランスは話すが、腰掛けているソファーは、ランスの身体では小さすぎて横になることすらできない。


「駄目よ、そこでは深く眠られないじゃない。ちゃんと寝台に寝て、ランス」

「そこにはお前が寝るだろう?さすがに一緒に寝るわけには……」

「べ、別に私は構わないわよっ!そ、その……、なにもしなければ……」


と最後の方は弱々しくなってしまったが、ついそうランスに言ってしまった。

ランスは驚いた表情で私を見つめる。

私の顔はきっと赤くなっているだろう。

見られたくなくて、顔を横に背ける。


汗が出てしまいそうなほどに身体全体が熱くなっていた。


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