捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
「……隣に寝ても、いいのか?」


確認するようにランスは聞いた。


「い、いいわよ。でも絶対、変なことしないでね!?」

「ああ、分かった。約束しよう。ありがとうアリシア」


私が先に寝台に横たわり、続けてランスが潜り込む。

ふたり楽々と寝られるほどの広い寝台ではあるが、ランスの身体が大きく、横になると身体は触れずとも、ランスの熱は横から伝わってくる。

異性と一緒に寝るなんて初めての経験だからか、隣にいる、それだけで私の心臓は爆発してしまいそうなほどに激しく打ち鳴らしていた。

ガチガチに固まりながら、天井を見つめてただひたすらに睡魔がやって来るのを待つ。


「なあ、アリシア」

そんな中、ランスが私を呼ぶ。


「な、なに?」

「触らないと約束するから、こちらを向いてくれないか?」


ランスの言葉に動揺した。

見られなくて天井を見つめていたのに、ランスを見ろだなんてそんな恥ずかしいことできるわけない!


「い、一緒に寝ているだけでもいいでしょ!」

「お願いだ、アリシア。お前の顔を見ながら眠りたい。でないとお前に触れるぞ」


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