捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
――ああ、まただ。

甘い言葉に頭の中がクラクラしてしまう。

なにも考えられなくなるほどに、真っ白に染められていく。


「早く私を好きになれ、アリシア。私はお前の苦しい思いも悲しい思いも、すべてを受け止めてやれるだけの力がある。私なしでは生きていけないほどの愛を、お前に与えてやろう」

触れないと言ったはずなのに、ランスは私の身体に腕を回してその胸に引き寄せた。


「っ……!」

その胸板は厚く、そして温かい。


横でほんのりと感じるだけの熱だったのに、今では嫌というほどの熱を身体中で浴びている。

私の足もランスの足が絡まり、まったく動けない状態になってしまった。


「おやすみ、アリシア」


ランスは私の髪に顔を埋めながら、そう呟いた。


どうやらこのまま寝てしまうらしい。


肝心の私は、胸の高鳴りが収まらずにそれどころではない。


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