捕まえてごらんなさいっ！～意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦～

兄が帰ってくることもそうだが、知らない間にスカーレットとの仲がそこまで進展していたことにも驚く。

けれどスカーレットには幸せになって欲しいと思うから、兄と上手くいっていることは素直に嬉しく、私はスカーレットを祝福し、そして応援する言葉を送った。

それで兄が帰ってくるまでの間、こうやって世間話をして時間を潰しているわけだけど。


でもまさか、そんな話をスカーレットから聞くとは思わなかった。


ディアスの一件から一切社交の場に参加していない私は、そういった貴族の間での噂が耳に入ってくることはない。


だから世間がどうなっているかなんて、私には知る由もなかった。



ランスは国王のお気に入りであり、ベルフォンヌ様と結婚させたがっていたという話は貴族であれば知らない人はいないくらいだ。


身分が高くなればなるほど、愛のない政略結婚は当たり前。


だからベルフォンヌ様の意思ではなく、国王様だけが望んでいる話だと周りは思っていた。



でも噂を聞く限り、ベルフォンヌ様はランスに思いを寄せていたということになる。