捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
――聞きたくはなかった。
身体中から力が抜けてしまいそうになる。
よろけてしまった身体を、ベルフォンヌ様は咄嗟に支えてくれた。
息ができない。
まさか、あのディアスがそのような恐ろしいことを企てていたなんて。
「この情報が私たちの耳に入ったのは、ちょうど一年半前よ。最初は誰がその計画に加担しているのか分からなかった。ただ大事(おおごと)になれば国の混乱を招く恐れがあるために、ずっと水面下で動いていたの」
「でも一緒にいたときには、そんな怪しい行動なんて微塵も……」
「彼は話の上手い人と聞いているわ。あなたを欺くことくらい簡単だったのでしょう。アリシアにはいい顔を見せ良い人間を演じ、裏では恐ろしい計画を練っていたのね。それでディアスが関わっていると分かったのは、あなたが婚約破棄される前日のことよ。その日ディアスを捕らえようと屋敷に行ったときには、すでにディアスは姿をくらましていた」
ベルフォンヌ様は、私の身体を労わりながらも淡々と話を続ける。
「ディアスが捕まらないとなれば、下手をするとこの話が明るみに出てしまう。そうすればあなたにまで危害が及んでしまう恐れがあるために、急遽国王の命であなたとディアスの婚約破棄の通達をしたの」
……ああ、だから国王様が。
ようやくそのとき、パズルがぴったりとはまるように、納得がいった。
今までどうして私の結婚に対して、国王様自らが命を出すのか不思議で仕方なかった。
でも、私を守るために、私の家族を守るために、最良の行動をしてくれたのだと理解する。
身体中から力が抜けてしまいそうになる。
よろけてしまった身体を、ベルフォンヌ様は咄嗟に支えてくれた。
息ができない。
まさか、あのディアスがそのような恐ろしいことを企てていたなんて。
「この情報が私たちの耳に入ったのは、ちょうど一年半前よ。最初は誰がその計画に加担しているのか分からなかった。ただ大事(おおごと)になれば国の混乱を招く恐れがあるために、ずっと水面下で動いていたの」
「でも一緒にいたときには、そんな怪しい行動なんて微塵も……」
「彼は話の上手い人と聞いているわ。あなたを欺くことくらい簡単だったのでしょう。アリシアにはいい顔を見せ良い人間を演じ、裏では恐ろしい計画を練っていたのね。それでディアスが関わっていると分かったのは、あなたが婚約破棄される前日のことよ。その日ディアスを捕らえようと屋敷に行ったときには、すでにディアスは姿をくらましていた」
ベルフォンヌ様は、私の身体を労わりながらも淡々と話を続ける。
「ディアスが捕まらないとなれば、下手をするとこの話が明るみに出てしまう。そうすればあなたにまで危害が及んでしまう恐れがあるために、急遽国王の命であなたとディアスの婚約破棄の通達をしたの」
……ああ、だから国王様が。
ようやくそのとき、パズルがぴったりとはまるように、納得がいった。
今までどうして私の結婚に対して、国王様自らが命を出すのか不思議で仕方なかった。
でも、私を守るために、私の家族を守るために、最良の行動をしてくれたのだと理解する。