捕まえてごらんなさいっ！～意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦～

「それで二十日後、私の婚約を祝う宴がこの城で開かれるのだけれど、そこである計画を実行しようと思っているの。この噂を一蹴するためのね。正直私もこの噂には困っているのよ。だって、私にも愛する婚約者がいるのに、まるで私がランスロットを好きだと言わんばかりのものじゃない？」


「ある計画……？それよりもベルフォンヌ様、婚約されるのですか！？」


「ええ。その宴で他の貴族たちには報告することになっているのだけど、相手はこの国と並ぶ東の大国、リーガルの第二王子よ。リーガル国と同盟を結ぶための結婚でもあるけれど、彼がこの国に外交目的で訪れたときに意気投合して、れっきとした恋愛結婚なの。だから彼にはこんな噂を聞かれたくはないのよ。私は彼が一番なのだから」


そう言ってベルフォンヌ様は顔を少し赤らめ、微笑む。

たしかにそういった事情があるなら、なおさらこの噂は無視できるものではない。

ベルフォンヌ様の名誉のためにも。


ではどうやってこの噂を一蹴するのだろう？


私はそのある計画について聞いた。


「まず、私たちが親しい仲であるのを他の貴族たちに見せる。あの噂が本当であれば、私たちが親しくなるなんてあり得ないでしょう？そして、私は婚約の報告の中で、あなた達ふたりの婚約についても祝福しようと思っているわ。噂のようなドロドロとした関係ではないというのを分からせるの。そうすればきっと貴族たちはその噂は嘘だったと理解してくれるはずよ」


「……ということは、その宴に私も参加しなければいけないと」


「そうね。しかもあなた達も仲睦まじい姿を、他の貴族に見せつけなければいけないわよ。その姿を受けて、私が畳みかけるように最大の祝福をするのだから。そして私もリーガルの第二王子を慕っているという言葉も話すつもり。これがある計画の中身よ。アリシア、できる？」