捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
胸元を手で押さえながら、目を瞑る。

このあと、あの扉を開けてランスが入ってきたら、ちゃんと伝えよう。

――私は、ランスを愛している、と。


そのとき、ランスはどんな反応をするだろう?

笑ってくれるだろうか。

それとも顔を真っ赤にして、慌てた反応をするだろうか。


考えるだけで、楽しい。

そして、胸がキュッと苦しくなる。


今までこんな気持ちになったのは初めてだった。

私もまた、本当の"恋"の苦しさを経験しているのかもしれない。


ランスはこんな苦しい思いをずっと抱えたままで、過ごしてきたのね。


でも苦しいけれど、とても幸せな気持ちになれる。


好きよ、ランス。

愛してる。



――早く、早く。


その扉を開けて、私の元に来て――……。
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