捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
――どのくらい、互いの唇を貪っていたのだろう。
名残惜しそうにランスの唇が私から離れていく。
そして苦しそうな表情を浮かべながら言った。
「駄目だ、これ以上は。止められなくなる」
私は頭を左右に振る。
見つめた私の瞳は徐々に潤み、ランスの顔が歪んでいった。
「……っ、いいの。止めないでランス。あなたが欲しい。ランスを全身で感じたい。私の身体が求めているの」
「でも、……いいのか?お前は後悔しないか?」
「するわけないじゃない。あなたが責任を持って、私を妻にしてくれるんでしょう?私を幸せにしてくれるんでしょう?」
ランスは私の言葉を聞くやいなや、切なそうに顔を歪めた。
「その言葉……、どれだけ私の理性を無くしたいんだお前はっ……!当たり前だろ、アリシア以外に娶る気などまったくない!」