捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
エピローグ
――空は、雲ひとつない綺麗な青が広がっている。
そこに目掛けて白き鳥たちが、一斉に飛び立っていった。
一生に一度しか着ることのない、純白のドレス。
私は今、そのドレスに身を包んでいる。
髪に添えられた花も、手に持つ花もすべて白で統一されていた。
神に誓いを立てる儀式。
これから一生、ランスと共に歩んでいくと約束するための大事な日だ。
やがて大聖堂の大きな扉が、ゆっくりと開かれる。
入り口から真っ直ぐに伸びる、赤い絨毯。
その先には、私と同じように真っ白な正装姿のランスが立っていた。
ランスは私の姿を見るなり、手を伸ばし笑みを零す。
私はヴェール越しに喜びの涙を溜め、笑顔を浮かべる。
その先は、幸福への道。
きっと明るい未来が待っているのだろう。
そんな希望を抱きながら、私は一歩を踏み出した。