捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
なぜ私に縁談を申し込んだのか。
例えそれがからかいだとしても、裏があったのだとしても、どうして私なのか。
政治的な問題で利用しようと思った?
……けど、ネリベル家はそこまで影響力を持ってはいないし。
自分の考えの中では、特別な理由なく縁談を申し込んだとは、考えられなかった。
だって私のことなんて、なにも知らないはずだもの。
もちろん私も、アーチャー様をよくは知らないのだから。
だからこの件については、裏があるとしか思えなかった。
変なことに巻き込まれるのは嫌。
どんな理由であれ、心を乱されたくはない。
私はなるべく穏やかに、なにも考えず毎日を過ごしたい。
だからこそ、余計受け入れられるものではなかった。