捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
――と、それまではそう思って、忘れようと思っていた。


もう二度と、アーチャー様がこの屋敷に来ることもないだろうと。




……でも、それは間違いだと、気付かされる。





――二日後。


それは昼過ぎだっただろうか。


屋敷の門番をしていた侍従が、慌てたように父いる部屋の扉を叩いた。



「ご、ご主人様大変です!あ、あのっ、そ、外にっ!」

「どうした、そんなに息を切らして。ゆっくりと話しなさい、何があったのだ?」


「……い、いらっしゃいました!こ、侯爵様です!アーチャー家の当主様がいらっしゃいました!!」


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