捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
ちょっと!!
なんてことしてくれるのよ!!
嫌な予感は的中した。
追い返すどころか、仮病も使えない状況になってるじゃない!
「どうしてこんな肝心な時に、そんなに慌てるのよ!!」
「だ、だって仕方ないだろう!?侯爵様の威圧は凄まじいんだぞ?あの威圧を感じたら、咄嗟に嘘など言えるか!!」
父は必死に弁明していた。
まあ、確かにそうだけど……。
伊達に騎士団長をしている訳じゃないもの、そのオーラは凄まじいものがある。
私も父の立場で、アーチャー様を前にして嘘をつけるかって言われれば、答えは……無理かもしれない。
……分かってる。
父にあたったってどうしようもないのよね。
こうなってしまった以上、私には会う以外に道はない。
だって、アーチャー様は私に会いに来たのだから。