捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
アーチャー様とふたりきりで話をするのには理由があった。
お父様には申し訳ないけれど、前よりももっときつく言わなければいけないと思ったの。
でも、お父様が横にいてはアーチャー様に強く出ることができない。
その結果アーチャー様が憤慨して、罰が与えられてしまったとしても仕方がないと思っている。
私が悪いのだから、そのときは家族に迷惑がかからないよう、全ての罪を私が引き受けようとも思っている。
私にはそのくらいの覚悟がある。
その覚悟でもう一回、自分の口からハッキリと断らなくては。
……ついでにどういった経緯で、私に結婚を申し込んだのか、それも聞きつつ、しっかりとお断りをしなくては。
私が今後も静かに暮らすために、乗り越えなくちゃいけないのよ。
本当は会いたくないけれど、私が行かなきゃどうにもならないから。
もし、その場で命を落としてしまうことがあったとしても。
それはそれで自分の望むべき終わり方だから、後悔なんてしないわ。
私はアーチャー様と結婚なんてしない。
誰の妻にもならない。
私はひとり、この命が果てるまで、誰とも結婚せずに生きていくのよ。