捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

でも、裏があるって考えなきゃどうしても納得できなかったのよ。


むしろその思惑があった方が、逆に気持ちの面では前向きに考えられたのかもしれない。

だからと言って、そういった思惑があったからと結婚する気はないけれど。


でも、その線は完全に断ち切られてしまった。



ではどうして?

なぜそんな、いち伯爵家の令嬢である私に結婚を申し込むのだろう。


考えても考えても、納得のいく答えが見つからない。


会話は途切れ、少しの沈黙が流れる。

私は答えが見つからないまま、それでもその理由が何かを考え込んでいた。


その間もアーチャー様はじっと私を見ている。

やがて、その沈黙に耐えられなくなったのか、アーチャー様から口を開いた。


「ひとつ、言いたいことがあるのだが」

「……なんでしょう?」

「結婚を申し込むのに、まず大事なものがあるはずだが、君はそこを考えはしないのか?」


「え?」


大事なもの?

……なにそれ。


「なぜ私がアリシアに結婚を申し込んだか。そんな簡単な理由を、どうして君は思いつかないんだ?」

< 46 / 242 >

この作品をシェア

pagetop