捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~

そう問われて、答えに詰まる。

アーチャー様の顔から、笑みが消えた。

とても真剣な眼差しに、ごくりと息を飲む。


簡単な理由……?

私との結婚で、行き着く答えなんてなにも……。


「分からないのか?」

「……考えても思いつかないわ」


私の返事にアーチャー様は、大きくため息をついた。

その態度も問いも、今の私には理解出来ずに困惑してしまう。


え、なんなの?

その呆れたような感じのため息は。


「そうか。なにも気付いてはいないのか」

「な、なんなのそれは」


だって考えても分からないんだもの、仕方ないじゃない!


アーチャー様は、また深いため息をつく。

そして、こう言い放った。



「理由は簡単だよ。私がアリシアを好きだということ。ただそれだけだ」


< 47 / 242 >

この作品をシェア

pagetop