捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
「もしかして、それは一目惚れ、では?心当たりはございませんか?」
「心当たり……?」
落ち着いてもなお、上手く回らない頭で考える。
アーチャー様と私が顔を合わせたのは、唯一、一年前のあの夜会でだけ。
でもあのとき、あんな広い会場の中で私は端にいて、遠くからアーチャー様を見ただけだった。
あんな遠くでも目が合ったような気はしたけれど、でもあれだけ沢山の人がいる中で、アーチャー様が私を見ていたかどうかは定かじゃない。
そもそもあんな遠い距離から私を一目見て、惚れるなんてこと……。
「……ないわ。あり得ない」
「そう、ですか……」
ふと、アーチャー様の言葉を思い出す。
『それはアリシアが知らないだけだろう?少なくとも私は君の事を知っていたよ。それはあの――……』
……そう言えば。
あの時、アーチャー様はなにかを言いかけて、止めた。
多分その先の言葉は、私を知るきっかけになった出来事を言おうとしたのだろうけど。
私が忘れているだけで、もしかして前に会ったことがある……?
「心当たり……?」
落ち着いてもなお、上手く回らない頭で考える。
アーチャー様と私が顔を合わせたのは、唯一、一年前のあの夜会でだけ。
でもあのとき、あんな広い会場の中で私は端にいて、遠くからアーチャー様を見ただけだった。
あんな遠くでも目が合ったような気はしたけれど、でもあれだけ沢山の人がいる中で、アーチャー様が私を見ていたかどうかは定かじゃない。
そもそもあんな遠い距離から私を一目見て、惚れるなんてこと……。
「……ないわ。あり得ない」
「そう、ですか……」
ふと、アーチャー様の言葉を思い出す。
『それはアリシアが知らないだけだろう?少なくとも私は君の事を知っていたよ。それはあの――……』
……そう言えば。
あの時、アーチャー様はなにかを言いかけて、止めた。
多分その先の言葉は、私を知るきっかけになった出来事を言おうとしたのだろうけど。
私が忘れているだけで、もしかして前に会ったことがある……?