捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
「……大丈夫なの?アリシア。心配になって来てしまったわ」
「スカーレット……」
それから三日後、スカーレットが屋敷へとやって来た。
私は寝台で上半身だけを起こして、出迎える。
結局あの日の夜から高熱を出し、今日までずっと寝てばかりいた。
医者は原因不明の熱であるといい、二、三日もすれば落ち着くだろうと言った。
熱で少し身体がだるい以外は特に不調はない。
けれど私がこうやって寝込むのは、今までにないことだった。
以前よりランスの件で悩んでいたこと、そしてついには私が熱を出し寝込んでいることで、たまらずアイリーンがスカーレット宛に『元気付けて欲しい』と手紙を送ったらしく、それで心配になって見舞いに来たということらしい。
「にしても珍しいわね、こんなに寝込んでいるなんて。滅多に熱で寝込むなんて今までになかったでしょう?」
「私も驚いているわ。お母様と違ってとても頑丈な身体に生んで貰って、それだけが取り柄だったのに」
「少し疲れていたのよ。ほら、色々とあったから……」