捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
と、話が途切れたところで、部屋の扉が叩かれる。
声を掛ける間もなく、その扉は勢いよく開かれた。
「アリシア!」
そう私の名を呼んで部屋へ入って来たのは、私の兄であるバレッタである。
兄も勉強で忙しい身であるというのに、それを投げ打ってまで私の元へきたことに驚いた。
「お、お兄様!どうしてここへ!?」
「お前が寝込んでいると聞いて、いてもたってもいられず今戻って来たんだ!体調はどうだ?熱は下がったのか!?」
スカーレットがいるというのに、構わず私の傍へやってくると、額に手をあて熱を確認する。
それほど熱くないのが分かると、ようやく落ち着きを取り戻した。
「ああ、良かった……。お前が寝込むなんて相当重篤なものだと不安で仕方なかったから。けれど顔色も悪くないし、熱もさほどない、これなら問題ない。命に関わるものじゃなくて、本当に安心した」
「その気持ちはとてもありがたいけれど、でもお兄様、慌て過ぎよ……。私はもう大丈夫、なんともないわ。そんなことより挨拶して。隣にいるの気付かない?」
声を掛ける間もなく、その扉は勢いよく開かれた。
「アリシア!」
そう私の名を呼んで部屋へ入って来たのは、私の兄であるバレッタである。
兄も勉強で忙しい身であるというのに、それを投げ打ってまで私の元へきたことに驚いた。
「お、お兄様!どうしてここへ!?」
「お前が寝込んでいると聞いて、いてもたってもいられず今戻って来たんだ!体調はどうだ?熱は下がったのか!?」
スカーレットがいるというのに、構わず私の傍へやってくると、額に手をあて熱を確認する。
それほど熱くないのが分かると、ようやく落ち着きを取り戻した。
「ああ、良かった……。お前が寝込むなんて相当重篤なものだと不安で仕方なかったから。けれど顔色も悪くないし、熱もさほどない、これなら問題ない。命に関わるものじゃなくて、本当に安心した」
「その気持ちはとてもありがたいけれど、でもお兄様、慌て過ぎよ……。私はもう大丈夫、なんともないわ。そんなことより挨拶して。隣にいるの気付かない?」