捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
その後すぐにアイリーンが紅茶を部屋に運び、そしてまた部屋を出ていく。


ランスは湯気の出ている紅茶を口に運んだ。


そしてカップをテーブルに置くと、話し始める。


「明日、少し遠出をしてみないか?連れて行きたい場所があるんだ」

「明日ですか?また突然急な」

「ああ、別に予定などないだろう?これまでにほとんど屋敷から出なかったんだしな。明日は少し動きやすい格好をしておいてくれ。私の愛馬に乗って行こうと思うから」


それはそうだけど……。

提案をしているように見せかけて、結局は決定事項として言うのはいかがなものか。

真っ先に予定がないと言われてしまうと、他に断る理由が見つからない。

行きたくないと言ったところで、ランスには通用しないのだ。


仕方なく私は頷く。


「分かったわ。……で、どこに行くの?」

「まあ、それは行ってからのお楽しみだな。私の一番のお気に入りの場所だ」


全く、この人はその場ですぐには答えてくれない。

お陰で余計に気になってしまうじゃないの。


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