捕まえてごらんなさいっ!~意地っ張り令嬢と俺様侯爵の溺愛攻防戦~
――翌日。
いつもよりも早めに起き出掛ける準備をしていたが、まだ終わらないうちにランスは屋敷に訪れた。
慌てて部屋にやって来た父が、早く支度を済ませるようにと呼びに来たことで、初めてそれを知り驚く。
こんなに早く来るなんて思ってもみなかったから、そう急かされて私も慌てて準備をする。
「……こんなに早く来るなんて思ってもみなかったわよ」
ランスの待つ応接室の扉を開けるなり、私は恨み節のようにそう話した。
「挨拶が先じゃないか?おはよう、アリシア」
「おはよう……、ございます」
朝もまだ早いというのに、ランスはとても爽やかな笑みを浮かべている。
遠出をするからか身体には重厚な鎧と藍色のマント、腰には繊細な彫刻が成された柄が特徴的な長剣が、鞘に収められぶら下がっていた。
ランスの鎧姿を見たのは初めてだった。
さらに醸し出される威厳、私の心がドキリと高鳴る。
「ほう……」
そんなランスは私をまじまじと見ながら、ため息を零した。
「なに……?」
「いや、普段のドレス姿からでは分からなかったが、足も長くほどほどに肉付きもあって、いい形をしている。……抱き心地が良さそうだな」
「い……!?」
いつもよりも早めに起き出掛ける準備をしていたが、まだ終わらないうちにランスは屋敷に訪れた。
慌てて部屋にやって来た父が、早く支度を済ませるようにと呼びに来たことで、初めてそれを知り驚く。
こんなに早く来るなんて思ってもみなかったから、そう急かされて私も慌てて準備をする。
「……こんなに早く来るなんて思ってもみなかったわよ」
ランスの待つ応接室の扉を開けるなり、私は恨み節のようにそう話した。
「挨拶が先じゃないか?おはよう、アリシア」
「おはよう……、ございます」
朝もまだ早いというのに、ランスはとても爽やかな笑みを浮かべている。
遠出をするからか身体には重厚な鎧と藍色のマント、腰には繊細な彫刻が成された柄が特徴的な長剣が、鞘に収められぶら下がっていた。
ランスの鎧姿を見たのは初めてだった。
さらに醸し出される威厳、私の心がドキリと高鳴る。
「ほう……」
そんなランスは私をまじまじと見ながら、ため息を零した。
「なに……?」
「いや、普段のドレス姿からでは分からなかったが、足も長くほどほどに肉付きもあって、いい形をしている。……抱き心地が良さそうだな」
「い……!?」