何となく空見上げちゃうでしょ?
よん
ふわ~っと宙に浮いたように体が軽い。頭も軽い。視界も何だか明るい。

さてと、さてさてと。
昔友人達とバンドを組んでいた時に作ったデモテープを引っ張り出してきて聞いてみることにした。

あ~びっくりした。なんじゃこりゃ?これでミュージシャン目指してたってんだから驚きだね。ただ、当時の流行歌を追っかけただけの薄っぺらいだけの音楽。雑音。公害。現在じゃあ何の意味も無いね。
当時は良いと思っていたんだけどな~。
仕方がない、改めて作ってみようかね。

あ~、ヤベェ。しばらく楽器に触れてなかったから忘れてた。俺ってギターじゃなかったじゃん。どうりでベースしか無いわけだ。

まいったな~


ピンポーン。

はーい。

おや?おやおや?
あなたは誰ですか?
遠い親戚?そうですか。それはそれは、さあさあ上がって下さいな。


さあ、どうぞ。冷たい麦茶ですよ。それにしても、会ったこともない私なんかを尋ねて来るなんて、どうしたんですかい?

へ?クワッしクワッ話せない?はあ、そうですか。じゃあ、どこからいらしたんでヤンすか?
へ?川の方クゥアら?何だからアバウトな人だな~。
何しにきたかも、何処からきたかも教えてくれないしな。

そうだ、名前ぐらい聞かせて下さいな。

河田童子さん。そうですか。へ?タコが嫌い?

なんだろう?聞いてないのに?何かのギャグかな?よし。

ははははは~

あれ?怪訝そうな顔してるぞ…話を変えなくては…

そうだ、ところで、童子さんは音楽とか好きですか?
そうですか、私も大好きでしてね、丁度今も曲を作ろうかと思っていたんですよ。

そうです、ベースです…
ははは…昔作った曲でも聞いてみますか?

~♪

渋い顔してるな~

まだあるんですよ、こんな感じのも。

~♪

うわ~、初対面でもこんな顔しちゃうんだ~
まあ、ゆっくりしていってください…。
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