ミツバチジュエル

その時。

「はいはい、ケンカはやめて。そっちの男子三人、サキちゃんに何て言ったの?」


担任のみちこ先生が、騒ぎを聞きつけてやってきた。


「……べつに。ただほんとうのこと、いっただけだもん」

「そうだよ! サキがわるいんだよ」

「なのにタカトがよけいなくちだししてくるから!」


みちこ先生が三人をじろりとにらむ。

「だから何て言ったのか聞いてるの!」

全員、しゅんとして答えない。


「先生には言えないような、悪口を言ったのね。サキちゃん、何て言われたの?」

「……サキはあかちゃんだって……ううっ、ひっく」


思い出してまた涙があふれた。


「先生から見たら、ここにいる全員、可愛い可愛い赤ちゃんです! 強がって悪口言ってる三人も一緒! ヒロくんもケンくんもトオルくんも、お昼寝中に指ちゅぱがやめられない赤ちゃんだもんね?」

「ちがうもん!」

今度は三人が顔を真っ赤にして否定している。

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