ミツバチジュエル
「あなた達、わかった? 赤ちゃんって言われたら嫌でしょ?」
全員、小さく首を縦に振った。
「じゃあ、どうすればいいのかな?」
しぶしぶ、といった様子で、タカトの陰に隠れていた私の方へ、三人が近寄ってきた。
「サキ、ごめん」
「ごめんなさい」
「ごめんね」
「……いいよ」
「もしもまたサキちゃんのことを赤ちゃんって言ったら、先生も『指ちゅぱしてる赤ちゃんの○○くん』って呼んであげるから」
「やだ」
「やめて」
「いわないで」
「もう、二度と言わないよね? わかったら行ってよし。悪口より楽しい遊びをさがしておいで」
彼らと先生がいなくなった。
ほっとしてタカトの背中から出て、もう一度お礼を言った。
「タカト、ありがとう」
「どういたしまして」
「さっきいってくれたの、ホント?」
「もちろん。サキママとぼくのママからたのまれてるんだ」
「ふうん……ママからおねがいされてるから、なのかぁ……」