恋の契約は永遠に


二階に戻って仕事の続きをして一時間が過ぎた頃、社長が戻ってきた。


「お待たせ片瀬さん、入力は終った?」


「はい、入力は先程に全部終わったのですが、まだ印刷はしていないのでチェックはしていません。納品書と領収書で分からない部分があったので、そちらはまだ未入力です」


「じゃあ一緒にしようか」


社長はピリピリした感じもなかった。
先程のクレームの時、口調はいつもと変わらなかったけど、目だけは笑っていなかった。
まだ社長の"鬼"な部分を見ていないから"鬼"になるとどうなるんだろう?


今はそれよりも仕事、仕事。


「納品書の分からなかった部分はどれかな?」


「はい、数量の隣にPTと書かれているのですが、それがわからなくて入力致しませんでした。領収書の方は、入力をすると"過払いになります"と表示されましたので、そちらも入力をしていません」


「このPTっていうのは貯まったポイントで商品と交換した事になるから、得意先名をポイントと入力して、後は入力は一緒なんだけど、最後に分かりやすいように備考の所にお客様の名字をこんな風に入力して最後にPTっていれるだけなんだ。ポイントの時はPTってなってるし、来店PTってのもあってその時も得意先はポイントで入力して流れは一緒で、備考にはお客様の名字の後ろに来店PTって入力するんだ。他にも割引きとかもあるからまたその時に教えるからね



「ありがとうございます」


私は社長に説明を受けながらノートに書き留めて入力をした。




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