恋の契約は永遠に
「色々と覚える事はあるけど、覚えてしまったら簡単だから片瀬さんなら大丈夫だよ。領収書の方も分からないって言ってたね、見せて?」
「はい、こちらです」
私は社長に領収書を見せた。
「あー、これはこのお客様が娘さんと一緒にアフターにこられて、娘さんの購入された商品をお母様が一緒に支払ってくれているんだ。こんな場合は領収書にちゃんと"誰々様分○○円含む"って書いてるよね?その場合、領収書に書かれている娘さんの名前の納品書も必ずあるから確認してみて、領収書の娘さんの金額と納品書の金額が一致なら、伝票番号は一緒で得意先は娘さんの名前にして領収書の娘さんの金額を入力するんだ、ほらすると残高が0になったよね?これで娘さんの金額がちゃんと支払われた事になるんだ。そしてさっきのポイント入力と一緒で、備考にお母様のフルネームを入力して最後に支払いとつけくわえるんだ。お母様の方は娘さんの金額を差し引いた金額が納品書と一致していたら、その金額を入力して終わり。長くなったけど少しややこしいね。でもやってるうちに慣れると思うから頑張って」
社長は長い説明を丁寧に教えてくれた。
私は社長に聞いたことをノートに書き留めて入力をし終わった後、印刷をしてチェックをし、間違いがなかった事を確認し、昨日の日計と金額があっていたので、納品書、領収書、印刷物を全てファイル別に綴じた。
「社長、終りました」
「ご苦労様、それよりもう少しでお昼だから先にお昼を食べて、休憩が終わったらさっきの発送のやり方も教えるよ。僕は一度本社に戻るからゆっくり休憩していいから」
「はい、ありがとうございます」
そういって私は皆が交代でお昼休憩に上がってくるから、食後のコーヒーを飲めるように準備をしようと椅子から立ち上がって歩こうとした時だった。
「あっ、片瀬さん!」
そう社長に呼び止められて腕を掴まれた。