恋の契約は永遠に
腕を掴まれた勢いで社長に引っ張られた私の体は、社長に引き寄せられる形となった。
「おっと……ごめん」
至近距離でハニカミながら社長にそう言われて、私の心臓がドクドクと音を立てた。
「い、いえ……どうしました?」
「来週か再来週でも構わないけど、片瀬さんにお肌のお手入れを体験してもらいたいんだけど都合のいい日にちとか時間はあるかな?今日じゃなくてもいいから時間を作って欲しいんだ。うちのサロンでお客様が来店して、どんな事をしているのか片瀬さんにも分かって欲しいし、そうする事で伝票入力をしていると、商品名も覚える事も出来るし、仕事になれてサロンが忙しい時は受付も手伝ってほしいんだ。僕は自信を持ってお客様を満足させられる事が出来るって言えるし、自信がなければ十年以上もうちの化粧品を使ってくれないだろうし、片瀬さんも体験して、片瀬さんにも今よりもっと綺麗にさせる自信もある。是非、お肌のケアの体験を宜しくお願いします」
「はい、予定を見て改めてお伝えいたします」
「ありがとう」
そう言って社長は微笑んだ。
その笑顔にまた私の胸がドクンと音を立てた。
社長は「じゃあまた後で」と言って部屋から出て行った。
私は深呼吸をして、コーヒーの準備をして、お昼休憩をする事にした。
私が机に座って休憩していると、佐々木さんが部屋に入ってきた。