恋の契約は永遠に
「驚かせてごめん、だけど麻耶だと気づいたらどうしても話したくて……少し時間ある?」
「今更何?私、急いでるから」
そう言って彼から逃げるように去ろうとした。
「待ってくれ、少しでいいから聞いてくれないか!」
そう言われて腕を掴まれた。
「離して、もう貴方とは関係ないし顔も見たくないの。買い物したら会社に戻らなくちゃいけないし、もう話す事なんてないから」
「麻耶、俺とやり直さないか?」
「何言ってるの?バカなの?あんたみたいな最低な男なんて二度とお断りよ!」
そう言って私は掴まれた手を振り切って買い物の続きをしてホームセンターから出た。
まさか結城(ゆうき)に会うなんて思ってもみなかった。
会いたくない人が目の前に現れるなんて。
駐車場に停めてある車に向かうと、そこに結城が立っていた。
「何なの?もう話す事もないし寄りも戻さない。お願いだからもうそっとしておいて」
「麻耶が寄りを戻してくれるまでここから動かない」
「バカじゃないの?私彼氏いるし、結城とはあの時に終わったの」
「じゃあ彼氏に今すぐ電話して俺に代われよ。ちゃんと相手が彼氏だって認めたら諦めて帰るから」
私は結城の言葉に動揺してしまった。
だって彼氏なんて口からでまかせだし。
私が黙ったままでいると結城は言った。
「彼氏居ないんだ?じゃあ話は早いじゃん、俺と寄りを戻してよ」
「無理、彼氏は仕事中は電話には出ないから掛けても無駄。もういいでしょ、私会社に戻らなくちゃいけないから退いて」
結城はそれでも車から退いてくれない。
困っていたその時だった。