恋の契約は永遠に
「ところで片瀬さん、お肌のケアのお試しの件だけど、いつだったら空いてる?」
お試しの件、すっかり忘れていた。
「その事ですが、開いてるのは日曜日くらいしかないです」
「そっか……じゃあ今週の日曜日の十六時とか空いてるかな?」
「日曜日なら大丈夫です。お肌のケアは会社でするのでしょうか?」
日曜日と祝日は会社は休みだし、わざわざ休みの日に私のお肌のケアをしてもらうのは悪い気もする。
「あぁ、場所は僕の自宅のマンションでするよ。本社に戻る前は僕の自宅でもアフターをしていたんだ。店長である妹にこのサロンを任せて、僕の自宅の近くにサロンをオープンさせるまでの間だけどね。今はサロンをオープンして弟が店長として働いてるけど、僕の自宅にもお肌のケアに必要なものは一式あるから大丈夫だよ。出来れば二週間に一回、お肌のケアを三ヵ月はしたいし、片瀬さんもお肌が変わっていくのを実感して欲しいしね。絶対に僕がキレイにさせてあげるから!」
「ありがとうございます」
ありがとうございますとは言った物の、社長の自宅でケアなんて思ってもいなかった。
日曜日に二人きりって事?
いくら仕事みたいなものだとしても、男性の自宅に行くことがなかった私は、少し戸惑っていた。
そんな気持ちのまま、休憩を終えて発注の流れの説明を受けて、発注数を紙に記入し、最後に店長に渡した。
店長が見るのは仕事が終わった後になるから、明日にFAXを本社に送る前に数を増やしたり、減らしたりとかの調整をしてくれるみたいだ。
社長は私に発注の流れを教えた後は、私と携帯の番号を交換して本社へと帰って行った。